
人気の合格祈願スポット「湯島聖堂」
お寺や神社など東京都内各所には様々な寺社・仏閣が並んでおり、受験シーズンになると合格祈願に訪れる人が数多くいます。そんな寺社・仏閣とは異なり、日本の学校教育の発祥の地として古い歴史を持つ孔子廟が、秋葉原から少し足を伸ばした湯島にあり、人気の合格祈願スポットとして有名です。そこで今回は江戸時代から続く孔子廟「湯島聖堂」をご紹介します。

東京メトロ丸の内線お茶の水駅1番出口から徒歩1分、東京メトロ千代田線新御茶ノ水駅やJR御茶ノ水駅の各線から2分ほどにあるのが「湯島聖堂」です。学校や東京のビル群の中に佇む自然のなかにあり、人気パワースポットや受験生の合格祈願で有名なスポットとして知られています。

徳川五代将軍綱吉が儒学の発展を図るために創建したのが始まりです。1690年に聖堂を創建し、上野忍岡の林家私邸にあった廟殿と林家の家塾を移し、その100年後の1797年には幕府直轄学校の「昌平坂学問所」が開設されました。

1922年に湯島聖堂は国の史跡に指定されましたが、1923年の関東大震災によって入徳門と水屋を残して、全て焼失。1935年に鉄筋コンクリート造りで再建され、1986年からの保存修理工事を経て、現在の姿に至ります。
一般見学者用の入口

正面の仰高門は論語の一文に由来し、一般見学者用の入口です。上野林家の際にはまだなく、1690年の湯島への移設以降から建てられたと伝えられています。

仰高門を抜けると緑が広がり、石畳で舗装された道が続きます。正面突き当りの右手には孔子銅像があり、左手には大成殿へと続く階段があります。
世界でも最大の大きさを誇る孔子銅像

安置されている孔子銅像は世界でも最大の大きさを誇り、全長4.57メートル、重量約1.トンの大きさです。1975年に中華民国台北市 ライオンズ・クラブから寄贈されました。

左手を抜けると大成殿に続く階段があり、通路に使用されている石畳のなかに江戸時代に使われていたものが現存しているものもあります。道すがらぜひチェックしてみてください。
1704年に創建された入徳門

朱熹の「大学章句序」に名前の由来を持つ、1704年に創建された入徳門です。上野忍岡の林家から入徳門はあり、聖堂内唯一の木造建造物として今もなお現存しています。
秋口にみられる鮮やかな紅葉

入徳門を抜けると、大成殿へと続く階段が続きます。秋口には鮮やかに紅葉するのでおすすめのスポットです。

階段の幅はやや広めで、凛とした雰囲気に背筋がシャンとする趣のある空気が感じられました。階段を登り切った先に、杏壇門と大成殿があります。
遺址「杏壇」に名前の由来がある「杏壇門」

山東省曲阜にある孔子の教授堂の遺址「杏壇」に名前の由来がある「杏壇門」です。間口は20メートルと大きく、奥行きも4.7メートルあります。
合格祈願の絵馬

杏壇門の横には多くの絵馬が飾られており、合格祈願に多くの人が訪れている様子が伺えました。

受験シーズンには学業成就のお守りや鉛筆を求めて数多くの受験生が訪れており、受験生のみならずアジア圏を中心に海外観光客も多く見受けられました。
名木として知られる「楷の木」

また敷地内には孔子の墓所に植えられている名木として知られる「楷の木」も植えられています。孔子の墓所である曲阜の樹の正子に当たる聖木が植えられており、国内では雌雄異株であるため種子を得ることが難しく、儒学に関係深い所に植えられています。

数多くの絵馬は杏壇門の左右に置かれており、学業成就の願いを祈願しに来た学生も見受けられました。

絵馬にはかつての湯島聖堂の様子が描かれた絵馬と、大願成就の文字が描かれた絵馬などがラインナップしています。学業成就だけでなく、健康や目標達成の願いが書かれた絵馬も多く見受けられ、多くの人から信奉されているようです。

神社で見受けられる朱色の鮮やかな色彩や、お寺の木目調とは異なり、黒で統一された色彩が目を惹きます。

古代中国では黒色は王族や力を象徴する色合いとして使われていました。近代では西洋文化の流入により、現在では意味合いが変化してきましたが、洗練された印象を与える孔子廟ならではの雰囲気が感じられるのは魅力です。
観覧は有料の本殿大成殿

本殿の大成殿には孔子像を中心に、孔子の高弟とされる四賢人も共に祀られています。大成殿内の観覧は有料なので、注意しましょう。

祀られている孔子蔵は朱舜水が亡命した際に、持ち込んだとされています。大正天皇に献上され、後に湯島聖堂に下賜されました。

孔子を祀る祭典のセキテンが毎年4月の第4日曜日に開催されており、今もなお多くの人に信奉されています。
杏壇門すぐ目の前に出れる門

大成殿には聖橋を渡って右手の門からも向かえます。杏壇門すぐ目の前に出れるルートなので、階段の上り下りが辛いという人はこちらのルートもおすすめです。

すぐ目の前には杏壇門があり、抜けると本殿の大成殿です。歴史を感じる味わい深い雰囲気を満喫できます。
敷地内のマップ

横には敷地内のマップも置かれています。初めて訪れるという人はマップを見てから回るのもおすすめです。

杏壇門を抜けてすぐ横にあるので、参拝を終えた後の帰りのルートにもぴったり。聖橋に向かいながら、上から敷地を見下ろしたり、神田明神に向かいたい人にもおすすめです。

今回は江戸時代から長い歴史のある史跡「湯島聖堂」をご紹介しました。神社やお寺とはひと味異なる雰囲気を感じられ、日本人が教養を重ねてきた歴史の一端を感じることができる場所です。ぜひ神田明神からも程近いので神田や湯島に立ち寄った際は、湯島聖堂に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
詳細情報
〈スポット情報〉
店名:史跡湯島聖堂
住所:東京都文京区1-4-25
営業時間:9:30~17:00 (冬季:9:30~16:00)
閉館日:夏季休業 8月13~17日の5日間、年末休業 12月29~31日の3日間
入場料:無料