
秋葉原駅からすぐ、東京の下町として愛され続ける神田。そんな神田エリアで古くから愛され続け、神田の発展を見守り続けたのが神田神社(江戸総鎮守 神田明神)です。730年の創建以降、江戸幕府が開かれると、幕府の尊崇する神社「江戸総鎮守」へ。現在に至るまで多くの参拝者が訪れています。そこで今回は、東京都内でも屈指のパワースポット「神田神社(江戸総鎮守 神田明神)」をご紹介します。
神田神社(江戸総鎮守 神田明神)鳥居

JR秋葉原駅電気街口から徒歩7分、JR御茶ノ水駅聖橋口からは徒歩5分にある「神田神社(江戸総鎮守 神田明神)」。東京メトロ丸の内線御茶ノ水駅や千代田線新御茶ノ水駅、銀座線末広町からも徒歩5分程度の距離です。本郷通り沿いに大きな鳥居があり、抜けた先に鮮やかな朱色の随神門が見えてきます。
随神門

「明神さま」の名で親しまれる江戸総鎮守 神田明神の正式名称が「神田神社」です。お膝元の神田や日本橋、秋葉原、大手丸の内、旧神田市場、豊洲魚市場、108町会の氏神様として、崇敬されています。大己貴命(おおなむちのみこと)・少彦名命(すくなひこなのみこと)・平将門命(たいらのまさかどのみこと)が御祭神です。

神田明神の歴史は古く、社伝によれば730年に出雲氏族の真神田臣(まかんだおみ)によって、現在の東京都千代田区大手町・将門塚周辺に創建。その後、将門塚周辺で天変地異が頻発したこともあり、1309年には平将門命も奉祀されます。さらに1600年の関ヶ原の戦いが起こると、徳川家康公が合戦に臨む際に戦勝の祈祷が行われ、神田祭の日に見事に勝利しました。

江戸幕府が開かれて以降は幕府の尊崇する神社となり、現在の地に遷座します。江戸時代を通じて「江戸総鎮守」として、幕府をはじめ江戸庶民からも親しまれました。明治時代に入り、社名を神田明神から神田神社に改称。東京の守護神として、「准勅祭社」「東京府社」に定められました。

長い歴史の中で、多くの武将からも崇敬された「神田神社(江戸総鎮守 神田明神)」。正面にある朱色の華やかな随神門は、1975年に昭和天皇御即位50年の記念事業として新たに再建されたものです。四神や因幡の白兎の彫刻が彫られており、平将門公に由来する金箔をほどこした「繋馬」の彫刻もあります。1998年の「平成の御造替事業」で鮮やかな現在の色に塗り替えられました。
有形文化財「御社殿」

随神門をくぐった正面に鎮座するのが、国の有形文化財にも登録されている「御社殿」です。1923年に関東大震災により社殿は一度焼失してしまいますが、1934年に当時では画期的な鉄骨鉄筋コンクリート、総朱漆塗の社殿が再建されました。
大己貴命(おおなむちのみこと)の石像

随神門をくぐった左手には、御祭神でもある大己貴命(おおなむちのみこと)の石像が鎮座しています。大国主命(おおくにぬしのみこと)という別名もあり、島根県の出雲大社の御祭神としても有名です。

「だいこく様」と親しまれており、縁結びの神様です。高さは6.6メートル、重さが約30トンあり、石造りの「だいこく様尊像」では日本一として建立されています。
神田明神文化交流館「EDOCCO(エドッコ)」

「だいこく様尊像」の後ろには、神田明神文化交流館「EDOCCO(エドッコ)」があります。創建から1,300年を迎える記念事業として建設され、ご神徳の高揚を願い、伝統文化の継承と新たなる文化の発信を目的とした施設です。

4階建ての建物内には、神札授与所やイベントホールの「神田明神ホール」、ショー劇場の「EDOCCO STUDO(エドッコ スタジオ)」も併設されています。神田祭の神輿やカフェも併設されているので、参拝時にゆったりと寛ぎながら神田神社の歴史や文化に触れることができるのが魅力です。

なかでも「EDOCCO SHOP IKIIKI(エドッコ ショップ イキイキ)」では、参拝記念にぴったりな江戸グッズ、モダン神具などが豊富にラインアップしています。オリジナル商品も多く、江戸の粋を感じるここでしか買えないグッズばかりです。

取り扱い商品のなかには「将門煎餅」や「だいこく様クッキー」など、お土産にぴったりなお菓子も充実しています。併設されたカフェではランチやスイーツをはじめ、18時以降は日本酒と共におでんも楽しめるので、グルメも豊富なのは嬉しいポイントです。
明治時代の神田神社のお祭りの様子

建物内の各所に、神田祭や江戸時代の様子を感じられる工夫がされています。美しくモダンな館内に、神田神社が見守ってきた姿や培われてきた文化、継承されていく伝統を感じられる空間です。

ショップやカフェでゆったりと過ごしながら、長く愛され続ける神田神社の歴史に触れるのにぴったりです。神田神社を参拝する際は、ぜひ神田明神文化交流館「EDOCCO(エドッコ)」にも立ち寄ってみましょう。

また意外と見落としがちなのが、神田明神文化交流館「EDOCCO(エドッコ)」の横に鎮座している「えびす様尊像」です。えびす様は正式には少彦名命(すくなひこなのみこと)という名称で、海の仲間に守られて大海原を渡られる姿を造形されています。商売繁昌の神様です。

御社殿の左隣にある、柵に囲まれた厩舎に「神馬 神幸号」がいます。「明(あかり)ちゃん」の名前で親しまれ、2010年の5月15日の神田祭の日に生まれたメスのポニーです。
神田神社の御神馬アイドル「明ちゃん(あかりちゃん)」

1日に2回、早朝と夕方に境内を散歩しており、散歩の時間帯以外は柵のなかにいます。神田神社に立ち寄った際は、ぜひ神田神社のアイドル「明ちゃん」に癒されてみてはいかがでしょうか。

また御社殿を囲むように、複数の神社が立ち並んでいるのも特徴です。庶民からの信仰が篤かった稲荷神社や金刀比羅神社など、複数の社殿が並んでいます。訪れた際に一緒にお参りするのもおすすめです。

神田神社は蔵前橋通りから続く裏参道もあります。上野方面からは好アクセスなので、覚えておくと便利ですよ。ただし急勾配の石階段なので、外堀通りから足を運ぶ方がスムーズです。

今回は東京の下町に鎮座し、江戸幕府からも崇敬された「神田神社(江戸総鎮守 神田明神)」をご紹介しました。時代の流れと共に東京の歴史を見守り、江戸時代や明治時代の東京を代表する神社として、庶民からも篤く信仰されていました。また神田明神文化交流館「EDOCCO(エドッコ)」が建設され、見どころもたくさんあります。ぜひ東京屈指のパワースポットに参拝してみてはいかがでしょうか。
詳細情報
〈スポット情報〉
店名:神田神社(江戸総鎮守 神田明神)
住所:東京都千代田区外神田2丁目16-2
営業時間:
明神会館【平日】12:00〜17:00 【土日祝】9:00〜17:00
神田明神文化交流館 EDOCCO 9:00〜18:00
定休日:明神会館 火曜日